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藍 画 廊


土居隆範展
・・・表面の位置から・・・


土居隆範展は七点の作品で構成されています。
画廊入口から見て、正面の壁面と右側の壁面です



合板で厚みのあるパネルを作り、それの表面に等間隔で糸(又はヒモ)を張り、油彩した作品です。
左がヒモを使った唯一の作品で、サイズは103(H)×145.7(W)×7.7(D)cm。
右は糸を使った作品で、42×59.4×6.9cm。



上は、道路側入口からのショットです。
作品の厚みがお分りになると思います。
箱状のパネルですね。
サイズは左から、
29.7×41.8×6.6cm、41.9×29.7×6.8cm
72.7×51.5×6.9cm、72.7×51.4×6.9cm。

この他、道路側ウィンドウにも一点展示されています。






作品のアップです。
画廊入口から見て正面の作品です。
垂直の帯が掠(かす)れていますね。
ヒモを張った後に、上から下に筆で描いたために掠りが出来ます。
土居さんは「掠り帯」と命名しています。
ヒモは1.5cmの等間隔で張られています。
この間隔は作品サイズによって異なります。


土居さんの作品の構造を少し説明してみます。
画面には風景画らしきものが描かれています。
山があって、雲があって、空があるように見えます。
その風景画は平らな面に描かれたものですが、人の眼はそこに奥行きを作ります。
眼が勝手に、広大な奥行きのある風景を見るわけです。

それに対して、表面に張られた糸(ヒモ)と垂直に描かれた帯は、あくまでそれが平面であることを主張します。
その二つの要素が同居すると、眼が作った奥行きの一番奥と表面の間には架空の空間が出来ることになります。
土居さんの表現は、その架空の空間の現出にあります。

土居さんの作品を毎回観ていると、わたしはその風景画らしきものの特異性にも眼がいってしまいます。
わたしには、それが原始の風景とでもいえる風景に見えてしまいます。
そのイリュージョンにいつも惹きつけられてしまいます。
(土居さんの説明では、特にそういった意図はなく、奥行きを作る為の絵として描いているとのことです。)

ご高覧よろしくお願いいたします。


会期


2001年11月26日(月)-12月1日(土)

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内



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