藍 画 廊



清水まこと展
SHIMIZU Macoto


清水まこと展の展示風景です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、作品タイトル「If you」で作品サイズ40(H)×40(W)cm、「Why」で59×46.5、「Leaf Color」で52×40.5、「Tokyo Mix」で66×46、「N」で60×50×10、「Lady J」で60×50×10です。
コーナーの立体は「Cry」で36×28×6です。



正面の壁面です。
平面の平面2点、左から「白の中て」で100×100、「Quiet Green」で100×100です。
立体は奥が「空標」で116×26×22、手前が「一月に舞う」で112×30×30です。



右の壁面です。
左から「重墨」で62×104、「Quiet Green」で100×100、「白の中て」で100×100です。



入口横の壁面です。
左から「思う場合」で(72×60)×2、「クリムトの記憶」で63×54、「1926」で40×40です。



展示の全体の雰囲気をご覧いただいていますが、手前の立体は「Dance」で21×21×38です。

以上18点が展示室の展示で、その他小展示室に3点の展示があります。
作品はミクストメディア(様々な素材)を使用しています。



左壁面の「If you」です。
画像では分かり難いのですが、鏡を部分的に使用しています。
平面というよりは箱状のオブジェのような作品。



同じく左壁面の「Lady J」で、中央にあるのは人形の顔です。
個人的なことですが、清水さんとは30年近くのお付き合いがあります。
わたしが以前経営していた西瓜糖の店舗デザインは清水さんの手によるものでした。
その意匠はミニマルでクールで、直線だけで構成された画期的なモダンデザインでした。
しかし一方で清水さんは「Lady J」にような作品も作ります。
それが清水さんのユニークなところです。



正面壁面の「白の中て」です。
線だけで描かれた絵画です。



立体2点です。
左は「空標」で、右は「一月に舞う」です。
「一月に舞う」の木のカーブは、何とも優雅です。



右壁面の「重墨」です。
このドローイングの制作方法は独特で、糸に絵の具を塗り、ピンと張って弾くようにして描いていきます。
それを幾十にも重ねて絵を作っていきます。



立体の「Dance」です。
題名どおり、Danceしている作品です。



最後は小展示室の2点。
清水さんには西瓜糖時代から展覧会をお願いしていますが、一貫して制作しているのが上の2点のような箱状のオブジェ。
人体が部分的に配置されているのも特徴で、(わたしにとっては)もっとも清水さんらしい作品です。


一見すると一人の作家の展覧会のように見えない清水まこと展。
しかし一点一点をじっくり見ていくと、共通する部分を感じます。
それを一言で表すと、芸術の中身です。
「表現したいこと、もの」の実体です。

正直にいえば、展覧会の体裁として清水まこと展はスマートではありません。
スタイリッシュな展示方法を避けています。
あの超クールな西瓜糖と作った清水さんがしていることですから、多分、それには理由があります。
形式や、約束事や。見てくれの格好良さから離れること。
清水さんの意図の底にはそういう考え方があると思います。
作品と、その中身と直に接してほしい、そう考えているのではないでしょうか。

そしてその中身には、清水さんが若い頃から影響を受けてきた多くの表現が内包されています。
もちろん、清水さんの中で一度咀嚼され、独自の表現として表されています。
影響を隠さず、自身固有の表現として作品化しています。

作品を見ていると、普段の清水さんに近いものもあれば、遠いものもあります。
しかしその遠いものこそ、清水さんの表現の核かもしれません。
モダンなデザインの仕事や、普段の装いとはほど遠く見える、具体でシュールなコラージュの数々。
その、ある意味直接的すぎる、過剰なものやことの結びつきと遊び。

「表現したいこと、もの」。
それは清水さん自身であり、もっといえば、人間というものの存在です。
作品は、その多様性を表しているわけではないと思います。
むしろ作品が多様で、しかも自然な表現といった方が適切です。
そしてその完成度の高さを楽しむのが、清水まこと展の醍醐味と思いました。

ご高覧よろしくお願い致します。

会期

2010年4月5日(月)-4月10日(土)


11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内