BACK→CONTENTS



藍 画 廊


高馬浩展








高馬浩展は立体四点、平面四点、計八点で構成されています。
立体は床置、平面は壁面に展示されています。
前回と同じく、一点一点が独立していながら会場空間に統一感を感じさせる展示です。
立体は桂、平面はキャンバスに油彩です。
平面は四点共、45×45cm。
立体は左の作品が一番大きく、50×30×19cm。
全体に小振りな作品と言えます。
立体の手法は独特です。
木をグラインダーで刻むと摩擦熱で燃え、それが黒くペインティングした様に跡を作ります。
つまり、グラインダーのペインティングです。


高馬くんの作品には、運動と平衡が同時に存在します。
常に動いているにもかかわらず、完全にバランスのとれた状態。
その状態を、高馬くんは自身は「原器」と呼んでします。

そこから出発して、そこに還る、全ての基準となる状態ではないかと思います。
誤解を恐れずに言えば、その状態は「安定」でもあります。
このことは前回展覧会の紹介でも書かせていただきました。
本展も、その考え方に基本的な変わりはないと思います。

今回は撮影した画像をランダムに並べてみます。
会場の雰囲気を感じていただければ幸いです。



高馬くんの作品から受ける印象は、同時代的かつ古典的です。
わたし達が今生きていることに関わる表現でありながら、いにしえの美術を思わせる表現がそこここに見えます。
これはサンプリングでも、いわゆる伝統と現代の融合でもありません。
それは、「原器」が存在し続ける気の遠くなるような時間の現在形、とでも形容するしか術(すべ)がないような気がします。
又、前回との比較で言えば、その表現の密度が濃くなっていると感じました。

ご高覧よろしく御願いいたします。


会期

2001年9月3日(月)-15日(土)

日曜休廊

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内


BACK→CONTENTS