藍 画 廊



橋本トモコ展
「ツバキ赤く」
HASHIMOTO Tomoko


橋本トモコ展「ツバキ赤く」の展示風景です。


画廊入口から見て、正面の壁面です。
大きな平面作品で、サイズは194(H)×194(W)cmです。



入口横右の壁面です。
これは小さな平面作品で、18×44.6cmです。



左の壁面です。
椿の花と葉の形だけで構成された作品です。
サイズは64×109.5cmです。

以上の三点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに一点の展示があります。
作品はすべて、パネル、綿布、白亜地、油彩を使用しています。



左壁面の作品です。
赤い椿の花と葉が、色面でフラットに省略化され、レリーフ状(背景を省いた異形の平面)の形態になっています。
ポップアートに似ていますが、受ける感触はかなり違います。
生活面の西洋化に伴って、用品に付されたデザイン(イコン=画像)は、シンプルでモダンなものに変化しました。
それを絵画として捉え直した作品です。



正面壁面の作品です。
巨大な椿の花です。
色面はシンプルですが、ニュアンスに富み、見飽きません。
しっかりした絵画技術に支えられた作品です。


入口横右壁面の作品です。

横長の小品で、背景の色面の階調の変化と構図に、伝統的な日本の絵との繋がりを感じさせます。

三点三様の在り方が面白い展覧会です。
橋本さんの過去の作品を見ると、果物や草花をモチーフにして、それを巨大化しているのが特徴です。
しかも、平面とレリーフ状の作品のミクスチュアが多く見られます。

方法としては、画廊空間(白い箱)を一つの空間と見なし、そこに大小の平面とレリーフを展示したインスタレーションと見ることができます。
それ自体は珍しい手法ではないのですが、果物や草花のパーツを壁面に散らばせたり、絵画技法(モノの見方、描き方)の混在はユニークです。
又、各作品の完成度も高く、アイデアは確たる技法で実現されています。

橋本さんの作品を見ていると、幼い子供の絵を描く姿を想像します。
大きな白い紙に、好きなように描いてごらん、といわれた子供。
子供は、紙のあちこちに勝手に絵を描きます。
それこそ、自由に絵を描きます。

自由に絵を描く。
これは、とても大切なことですね。
職業的作家であろうとも、これを忘れてはいけません。
何よりも、作家は自由に描くべきです。
そして、技術も大切です。
自由で自立した作品とは、その二つによって成り立つと思います。

ご高覧よろしくお願いいたします。

<同時開催>

私はどこから来たのか
Bunkamura Gallery+ ギャラリープラス
2006年9月25日〜10月7日 10:00am〜7:30pm(最終日は7:00pm)

小品の展示
Bunkamura Art&Crafts アーツ&クラフツ
2006年9月25日〜10月8日 10:00am〜7:30pm(最終日は7:00pm)

〒105-8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 (東急本店横)
Bunkamura 1F メインロビーフロア
TEL 03-3477-9174(直通)
http://www.bunkamura.co.jp

作家Webサイト


会期

2006年9月25日(月)-30日(土)


11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内