藍 画 廊



伊藤知宏展
「風景壁画其ノ四」
ITO Chihiro


伊藤知宏展の展示風景です。



本展のタイトルは「風景壁画其ノ四」ですが、サブタイトルも付けられています。
あやめと石神井公園の風景と雲のイメージが黒いペンキと白いペンキで描かれた絵」です。

作品を壁面ごとにご覧いただきます。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。



パネル、ペンキ、鉛筆、木ねじが使用画材で、各パネルのサイズは縦910mmで統一されています。
(横幅は220〜1820mmまでの各種サイズ。)



(右側壁面と)入口横右の壁面です。



左の壁面です。

あやめと石神井公園の風景と雲のイメージが黒いペンキと白いペンキで描かれた絵」。
その通りの風景画(壁画)で、石神井公園の池が画面中央に広がり、向こう側の柵とこちら側の柵が描かれています。
それと重なるように、あやめの拡大画像と小さな雲が飛んでいます。

風景画の手法は前回と同じで、風景のサンプリングと再構成です。
大きく違っているのは、前回が画廊壁面を覆い尽くす壁画だったのに対して、今回は帯状に画廊全体を一周する形になったことです。
画面の上下に余白を存在させたことです。

さてさて、この風景画、どこから見たら良いのでしょうか。
作品を観賞する入口がどこにあるのでしょうか。



其の一つは、音楽です。
伊藤さんはバンド活動をしていて、絵画制作に音楽的手法を採り入れています。
この横長の壁画、見方によっては楽譜のようです。
横に繋がっている柵は、五線譜にも見えます。

そのように見ると、画面から音楽が流れてきます。
流れるというより、鳴りだしてくる感じです。
それは「あやめと石神井公園の風景と雲のイメージ」からなる音楽で、時期は四月から五月。

あ〜、とても心がウキウキしてきました。
音楽は、緻密に計算されたものではなく、即興(ライブ)で奏でられています。
身体が自然に動き出してくるような、軽やかなリズムを伴った音楽です。
雲のリズムとメロディが、とっても良いですね!
(伊藤さんがライブ・ペインティングに固執する理由が、解りました。)

画家が音楽にインスパイアされて制作するのはよくあることですが、この作品は少し違います。
画面が楽器のように、音楽を奏でているのです。
その心地良さは、画廊で実際に作品を見なければ分かりません。
音楽に包まれながら、風景を楽しむ。
希有な経験ではないでしょうか。

ご高覧よろしくおねがいいたします。

2005年藍画廊個展
作家Webサイト



会期


2006年5月15日(月)-5月20日(土)


11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内


《同時開催》 SPC Previw Garden
2005年5月8日(月)-5月20日(土)
12:30-19:30
東京都中央区日本橋兜町9-7 SPCビル2F
03-3666-1036