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藍 画 廊

 



イメージの新様態 In Tokyo
片山雅史・金沢健一/室井絵里



本展は室井絵里さんの企画によります。
もともと「イメージの新様態」展は京都のギャラリーすずきが1990年にはじめた企画展です。
その第2回展(1991年)の企画を担当した室井さんが、片山雅史さんと金沢健一さんのコラボレーションを連続展(福岡、京都、大阪、横浜)として企画しました。
「イメージの新様態」展は、それに先立つ展覧会として開催されます。
(6月26日〜7月8日の日程で京都のギャラリーすずきで開催されます。)
その東京版が「イメージの新様態 In Tokyo」です。

藍画廊の四角い空間を対角線で展示を区切っています。
入口の両側の壁面と左側が金沢さん、入口正面の壁面と右側が片山さんです。
金沢さんは鉄の立体、片山さんは絵画です。



「鉄と熱の風景」と題された金沢さんの作品群です。
藍画廊では去年の個展に続く金沢さんの展覧会になります。
300×200×60mmのサイズの作品が24点展示されています。
(芳名帳上と通路側ウインドウにも、200×150×9mmの作品を各1点展示しています。)
作品は、鉄にウレタンクリアー塗装を施したものです。
横から見ると、鉄が溶接されてコの字型になっているのがお解りかと思います。



こちらは片山さんの作品群。
正面は「日記ー光2000・2001」。
左は「被膜2000・2001」。
「日記ー光2000・2001」は16点、「被膜2000・2001」は24点で構成されています。
(通路側ウインドウにも「被膜2000・2001」が1点展示されています。)
いずれも、基本になる1点は300×300×50mmのカンバスにアクリルで描かれたものです。
「日記ー光2000・2001」の写真に見える作品は、デジタルカメラの映像を基に手で描いています。

金沢さんの作品は、立体でありながら絵画ともいえる表情をもっています。
壁に掛けられた立体は、立体でありながら絵画でもあることを主張しているかのようです。
金沢さんの作品は、研ぎ澄まされた、モダンでクールな佇まいを常にもっています。
しかし、その表情には人間的な温度があります。

片山さんは、絵を描くという行為に拘(こだわ)る作家です。
絵画に拘っているからこそ、絵画の枠を外して描こうとしています。
一つ一つの小品はそれ自体作品であり、構成された全体の一部でもあります。
厚みを持った物質でも有り得る片山さんの作品は、それが絵画であることを強く主張しているかのように見えます。

表現は形式を伴うものであり、形式のない表現は存在しません。
しかし、時には形式は表現を縛るものにもなります。
又、形式に寄り掛かった表現というものも存在します。
そのアンビバレンツな関係に作家はどう挑むのでしょうか。

御高覧よろしくお願いいたします。
(本展は新倉美佳さんの協力をいただきました。)




会期

2001年6月4日(月)-6月16日(土)

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内



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