藍 画 廊



小日向千秋 個展
Land/Earth
KOBINATA Chiaki


小日向千秋個展の展示風景です。



展示はインスタレーション作品「Land/Earth」一点で、上の画像が全景です。
サイズは
W3600×D2100×H600 mmで、粘土・土・雑草・合板・樹脂 を使用しています。
作品について作家が記したテキストがありますので、全文を掲載いたします。

Land / Earth

小日向千秋

草のはびこるその地に隠されているのはなかば廃虚と化した要塞都市。
土は自然を語り、文明を語り、そして時間を語る。

土と土地に着目したこの作品は焼成した土と雑草の生えた生の土で構成されている。
焼成した土は文明の象徴でありそれを取り巻く草のベッドは自然の象徴である。
この鳥瞰できる島のような作品の中に文明と自然からなる一つの小さな世界を表現しようと試みた。
コンクリートに埋めつくされた都会に生活していると土を見る機会も乏しい現代ではあるが、
私たちの生活はほぼすべて土の上に成り立っている。
土は私たちの生活をを支えてくれる基礎であり、様々なものを生み出す母なる大地である。
しかし時として土は脅威にも成りうることを私たちは知っている。
今、もう一度、土と正面から向き合い、土が語る声に耳を傾けたいと思う。



画廊内に展示されている、雑草と土と焼成した土で構成された作品。
画廊のホワイトキューブと鮮やかな緑と焼成土のコントラストが美しい作品です。

滅びた都市文明が何かを物語っています。
要塞のように周りを囲い、人工的環境で文明を謳歌した都市の人々。
永遠に続くかと思われたその時も、今は昔の一時に過ぎません。
地球上に文明が現われた時、人は自身が土が生まれたことを忘れたのかもしれません。


人は自らが生み出した構築物の美しさに酔い、繁栄の中で病んでいきました。

文明とは何でしょうか。
歴史の教科書で讚えられている偉大な文明、人類の進歩とは何でしょうか。
そして、わたし達が今享受しているこの文明とは。


自然と文明を「土」という共通語で考察、構成したのが、小日向さんの「Land/Earth」です。
各種の美しい雑草が、「土」の本質を問わずに語っている気がしました。


ご高覧よろしくお願いいたします。



2004年藍画廊個展


<撮影:藍画廊 菊池絵子 下から二番目の画像のみふくだまさきよ撮影>



会期


2005年4月25日(月)-5月7日(土)

当展会期中は日曜、祝日も開廊いたします

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内