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藍 画 廊


吉田哲也展


今回の展覧会は白一色です。
作品も、それが置かれている台座も白です。
壁面も当然白。
作品はPlaster(石膏)で作られています。



台座の上の小さな三点の作品、おわかりでしょうか?
作品サイズは<1>−10(H)×21(W)×46(D)mm <2>−20(H)×40(W)×38(D)mm <3>−18(H)×41(W)×36(D)mm。
単位はミリメ−トルです。
かなり小さい作品ですね。


これは真横からのショットです。
かなり顔を近づけないと細部がわかりません。
整然と並ぶ台座の上の小さな作品は、あきらかに手仕事の痕跡を残しています。


作品のアップです。
吉田くんによって「もの」が作られた痕跡がありありとしています。
吉田くんの作る「もの」は抽象的でありながら、どこか具体的であり、ク−ルでありながら、温かい。
職人的でありながら、どこか熟練から逃れている。
あらゆる相反するものを同時に持ち合わせているかのようです。


作品を含む空間も又、禁欲的でありながら開放的です。
吉田くんの場合、いわゆるインスタレ−ションという言葉は当てはまらない気がします。
といって、彫刻、立体で片づけるのもちょっと違う気がします。
空間と、つくられた「もの」の関係がどちらにも依存していません。
依存していないにもかかわらず、密接な関係を持っている。
その関係性が、吉田くんの表現です。

これはわたしの個人的感想ですが、吉田くんの作品を観ていると「あたり前」という言葉が頭に浮かびます。
「あたり前」とは、「誰が考えてもそうであるべきだと思うこと」です。
その、易しそうで難しい「あたり前」を吉田くんは必死になって作ろうとしている、いや、必死になりつつ肩の力を抜きながら作っている。
そんなことを思ってしまいます。

力のある作品です。
ご高覧よろしくお願いいたします。





会期

2001年3月19日(月)-3月31日(土)

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)

日祝日休廊



会場案内



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